特殊な包丁を使用したうなぎさばき

うなぎが好きな人にとって、お気に入りのうなぎ専門店を見つけた時の喜びは一言に表すことができないほど嬉しいものです。伝統のたれや焼き加減など、お店によって伝統の技術があり、専門職の熟練だからこそ醸し出せる美味しさがあります。
しかし、うなぎを語る上で外せない技術の中で、注目すべきは伝統のたれや焼き、またうなぎ自体の質だけではありません。うなぎさばきもまた、出来上がりの味わいに影響する重要な技術の一つです。

うなぎは、家庭ではなかなかさばくことはない食材のため、どのようにさばくかしている人は少ないものです。実は、普通の包丁は使用せず、専門の包丁を使用してさばきを入れていきます。うなぎさばきは、一本で身を開き、骨とひれを落とすことが可能な片刃の和包丁で、他の包丁と比べて種類が多いことが特徴です。大きく分けると関東型と関西型の2種類の分かれ、細分化すると江戸型や京都型、名古屋型、大阪型、九州型に分けることができます。

しかし個体の作りが違うわけではなく、あくまでも調理手順の違いから使用する包丁の型に特徴があるということです。さばきの特徴は地域によって変わりがあり、知らない人が見ると全く別物の包丁だと勘違いするくらいです。

地域によるさばきの違い

江戸型は、三角形に尖った切っ先と短い柄で、中でも長めの刃渡りであることが特徴です。中には20cm以上の刃渡りの包丁もあります。小型のものは、アナゴやドジョウをさばく際に用いられます。

京都型は刃渡りが10cm以下のため、江戸型とは全く違う印象です。切っ先が丸くなっていて、なたのような形をしていることが特徴です。刃の峰の部分には出っ張りがあり、目打ちをする際に使用出来る構造になっています。
名古屋型は京都型に似ていますが、細身で柄は少し長めの作りになっています。そのため、見た目は京都型とは違う印象です。
大阪型は、柄がなく江戸型と同じように斜めに刃がついており、一番特徴的な見た目をしています。ノミや彫刻刀のような見た目の印象です。

九州型では、大阪と同じく柄のない包丁であることが特徴です。しかし九州型では、なたのような丸まった刃をしています。使いにくいため大阪型と同様、あまり見かけることがない包丁の一つです。このような包丁の違いは、関東型と関西型で分けて見た場合、さばき方の違いが包丁の違いにあらわれています。関東ではうなぎをさばくときに背開きをしますが、関西では腹開きをします。技術的には、脂が流れないよう、また身が縮んで固くならないようにさばくことが、熟練の職人の技です。そのような技術を、専門的な技術でそれぞれのさばき方で、実現しているのです。